ホーム JSCAの紹介2017年度の活動に向けて

2017年度の活動に向けて

 

2017年7月
一般社団法人 日本建築構造技術者協会
会長 森高 英夫

2017年度通常総会後の理事会におきまして、私、森高が2期目の会長職を担うことが正式に承認されました。また、総会で承認されました新任理事10名を含む27名の理事から一條典、嵐山正樹および横山一智の3氏が新しく副会長に選出されました。これからの本協会の運営におきましても本部・支部の役員と協力して精一杯、力を尽くして参りたい所存ですので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

先ずは、昨年度のJSCAの主な事業について総括したいと思います。

はじめに、熊本地震関連です。地震後に九州支部の会員を中心に応急危険度判定に協力し、その貢献に対して国土交通省住宅局長から感謝状が授与されました。また、国土交通省が建築研究所と連携して「熊本地震における建築物の原因分析を行う委員会」が設置され、構造設計者の代表としてJSCA会長である私も分析内容の審議に参画しました。このなかで交わされた様々な議論を踏まえた結果、法令・告示等の改正は特に行われませんでしたが、防災拠点となる建築物等の大地震後の機能継続・継続使用性が重要であるとの認識をこの委員会で共有しました。この課題につきましては、耐震性能設計の必要性を提案している本協会も関与していきたいと考えています。

また、性能評価において指定地域での長周期地震動に対する超高層建築物等の検討が義務付けられましたが、これらに関する情報も適切なタイミングを計って会員に提供しました。

 

2017年度は2016年度の活動を踏まえて、新たに以下の5項目を重点目標として定め、活動を行ってまいります。

1)会員の増強と次世代の構造設計者の育成

JSCAの活動を中長期にわたって安定的に継続していくためには、特に中堅・若手世代の会員の増強が必要です。昨年度は、将来の構造技術者を目指す学生を含めた若手世代の会員増強を図るための施策を策定しました。今年度は、本部および支部において積極的に会員勧誘活動を行います。併せて、若手世代に対する研修を強化するなど、次世代の構造技術者の育成のための活動も進めていきます。特に、「構造デザイン発表会」は2017年度もさらに充実させ、中堅・若手構造設計者の育成にもつなげていきます。また、最新動向を反映したタイムリーな講習会および実務者にとって有益な研修等についてはICTを活用して、より多くの支部の会員が受講できる機会を増やしていく予定です。

2)性能設計の普及に向けた活動

昨年、様々な耐震性能メニューを定めた「JSCA性能設計説明書(案)【耐震性能編】2016」を策定しました。今年度はこの案を試行運用しながら、構造設計者とクライアント等が多様な耐震性能について共通の認識を有していけるような活動を行いたいと考えています。さらに、今後、性能設計の考え方を広く社会に普及させる活動にも取り組んでいいきたいと考えています。

また、「非構造部材の構造安全性確保に向けて」について、昨年12月20日に建築関係団体6会で共同提言を行いました。今年度は建築関係団体と連携しながら、非構造部材の構造安全性確保に向けた活動を積極的に推し進めていきます。

3)JSCA建築構造士の広報強化と将来像の検討

「JSCA建築構造士」資格を有する構造技術者は、幅広い見識を身につけ、豊富な専門知識と経験を基に、優れた技術力・デザイン力および高いコミュニケーション能力を駆使してプロジェクトを遂行できる者と位置づけています。 そのために「JSCA建築構造士」の優位性・有用性を社会に広くアピールする活動を行っていくとともに、JSCA建築構造士の将来像についても検討していきます。

4)木造建築の構造設計技術の普及と向上

木質系材料は、都市にぬくもりの空間を創出し、構造デザインの新たな展開を可能にする魅力的な構造材料でもあります。JSCAは、木造建築に関連する活動領域の拡大を行い、一般製材、集成材、CLT材および木質複合材等を用いた中・大規模木造建築の構造設計に関する情報整備と構造設計技術の向上を図っていくために、今年度もその活動をより一層強化していきます。

5)既存建築物の安全・安心の確保

南海トラフ地震および首都直下地震等の巨大地震の発生が懸念されており、防災・ 減災に対する社会の関心がますます高まっています。2017年度も既存建築物の耐震診断・改修設計の第3者判定業務および耐震改修設計に関わる構造設計者支援を継続していくことにより、社会の安全・安心の確保に貢献していきます。

以上が2017年度の重点目標です。これに加えて、国際交流推進の観点から、海外の構造技術者との幅広い交流もより一層進めていきたいと考えています。本年も建築関連団体や関係者各位と協力体制を保ちながら、さまざまな活動を展開していく所存ですので、ご理解・ご支援していただきますようお願いいたします。


ホーム JSCAの紹介2017年度の活動に向けて
PAGETOP