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2017年を迎えて

 

2017年1月
一般社団法人 日本建築構造技術者協会
会長 森高 英夫

新年あけましておめでとうございます。

2015年6月にJSCA会長に就任し、現執行体制の下、協会運営に携わって早や1年半が過ぎようとしています。この間、JSCAが直面する様々な課題に果敢に取り組んできました。特に2016年度は、以下の5項目を重点目標に掲げて活動しており一定の成果をあげてきました。

1) 「職能研鑽の推進とJSCA 建築構造士の将来像の検討 」

法改正や社会問題等の最新動向を反映した講習会を開催したり、実務者のために有益な研修等の職能教育を行ったりすることは本協会の重要な活動です。今年度は、 本部・支部の連携により、ICT を活用した講習会および委員会活動等を充実させ、より多くの地域の会員が職能研鑽できる機会を増やしてきました。

建築物の安全性について社会と共通認識を育成して行くためには、高度な知識と倫理観を有する構造設計者の育成と認証が重要であります。JSCA が認定する「JSCA 建築構造士」は幅広い見識と高い倫理観を持ち、 技術力・デザイン力だけでなく高いコミュニケーション能力を駆使してプロジェクトを遂行できるエンジニアと位置づけています。今後もこの資格の有用性を社会に広くアピールしていく活動を継続していくと共に、「JSCA 建築構造士」の将来像についても検討していきたいと考えています。

2) 「会員の増強と次世代の構造設計者の育成 」

近年では会員数は横ばいか、やや減少気味であり、特に、55 歳以上のベテラン世代の正会員数が 約60%となっています。JSCA の活動を中長期にわたって安定的に継続していくためには、 特に中堅・若手世代の会員の増強が必要と考えています。昨年、将来の構造設計者を目指す学生にも積極的に学生会員としての入会を促すために規約の改正を行いました。

また、若手世代に対する研修をさらに充実させていきたいと考えています。昨年10月に関西支部で開催した「構造デザイン発表会」は、次世代の構造設計者を育成する場とも位置づけており、今後もこのような活動を積極的に推し進めていきます。

3) 「木造建築の普及に向けた活動領域の拡大 」

木造建築の普及は、環境負荷の低減の観点から地球温暖化対策として有効であり、また日本の森林整備および木材自給率の向上にもつながります。JSCA は木造建築に関連する委員会の活動領域の拡大を行い、一般製材、集成材、CLT 材および木質複合材等を用いた建築物の構造設計技術の向上を目指しています。また、木造関連専門会社に賛助会員として入会していただき、今後、連携しながら技術交流および研修等の活性化を図っていきます。

4) 「性能設計の普及に向けた活動」

昨年は熊本県で震度7の強い揺れを伴う地震がありました。JSCAは、このような地震に対して建築物が大破・崩壊しないようにするだけでなく、継続使用性確保による事業(生活)継続や損害額低減等を目標とする様々な耐震グレードを定めた「JSCA性能設計説明書(案)」を作成しました。構造設計者とクライアントが多様な耐震性能について共通認識することが重要であり、JSCAは性能設計の考え方を社会に広く普及させ、良質な社会資本の整備に貢献していきたいと考えています。また、2012 年に発行したパンフレット「安心できる建物をつくるために」は、構造設計者とクライアントが耐震設計や性能設計について対話するためのコミュニケーションツールと位置づけています。現在、このパンフレットをさらに活用しやすいものにするために内容の見直しを行っています。

5) 「既存建築物の安全・安心の確保」

本年は東日本大震災から6年目を迎えますが、昨年は熊本県、鳥取県さらに茨城県で震度6以上の地震が発生しました。今後、南海トラフ地震および首都直下地震等の発生が強く懸念されており、防災・ 減災に対する社会の関心がますます高まっています。JSCAは、 長年、多くの既存建築物の耐震診断・改修設計の第3者判定業務および耐震改修設計に関わる構造設計者支援を行っています。これらの活動をこれからも継続していくことにより、社会の安全・安心確保に繋げていきたいと考えています。


また、昨年12月には「非構造部材の構造安全性確保に向けて」について建築関係団体6会で共同提言を行い、意匠・構造・設備に関わる各設計者が非構造部材の耐震安全性確保に向けて活動していくことを会員及び建築関係者に呼びかけました。

2017年におけるJSCAの主要な課題は、以下の3点です。


  • ① 次世代構造設計者の会員増強と人材育成
  • ② JSCA建築構造士の資格有用性を高める活動
  • ③ 広報活動強化による建築構造設計の職能確立

また「JSCA構造設計賠償責任保険」のさらなる普及にも注力し、構造設計者の業務環境改善のための活動も行っていきます。

本年も建築関係団体や関係者各位と協力体制を保ちながら、様々な活動を展開していく所存ですので、ご理解・ご支援していただきますようお願いいたします。


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