ホーム 建築構造を理解するために 特集アクションプログラムの概要

大震災の教訓を生かせ!

~JSCAのこれまでの取り組みと今後~

 

アクションプログラムの概要

日本建築構造技術者協会
 
本資料は、当時の背景で提出されたままのもので、
それを新たに現在見直したものではありません。
JSCA機関紙「structure №62 1997.4」より

はじめに

 阪神・淡路大震災を経て、われわれ構造技術者は、これからの建物や都市の安全性をどのように考え、どのように実現すべきかについて議論を重ねてきました。そうして、大地震時に許容できる被害の程度(建物の安全性のレベル)と、個々の建物の耐震安全性を評価できる仕組みについて社会的コンセンサスを得ることが重要であると考えました。そのために、1995年に4回の公開パネルディスカッションを開催して、建築家を始め広い分野の方々と話し合って意見を求めました。それらをふまえて検討した結果を「JSCA提言」として1995年秋に発表しました。同時にJSCAが問題解決に向けて検討する「アクションプログラム」も提示しました。
ここでは、アクションプログラムの概要を示します。

アクションプログラム概要

アクションプログラムは、
基本的問題対応の長期プログラムとして、

A.総合安全性等
B.機能維持・性能を基盤とした設計
C.構造設計者
早期対応プログラムとして
D.情報公開
E.構造安全性
F.既存建物の構造安全性
G.木造住宅の補強
のテーマに対して検討委員会を設け検討してきました。

早期対応プログラムの成果

D 情報公開

 建物(特に既存建物)の耐震安全性について「情報公開」の仕組について検討を行い、 耐震マークの設定、運用について提案を行っている。
この提案は、建築物を利用する全ての人が、その建物の耐震安全性を知る権利を持つことから、 既存の建物に対して①「建築物の耐震改修の促進に関する法律(1995年12月施行)」に適合した建築物、 ②新耐震基準(1981年6月施行)に適合した建物について、「書類検査」「立入検査」等を行い、 適正と認められた建築物について「耐震」マークを与える。

E 構造安全性 現行法令と運用に対する提言

 建築基準法(2000年改正前)に示された構造安全性の定義が、 「法令は最低の基準ということから絶対安全性を追求しているわけではない」ことを指摘している。
これを受けて、法令構成上の問題点(時代の変化に構成が伴っていない部分がある)、 法令運用上の問題点(建築士制度と建築確認制度の関係)を示し、 新しい建築法令の在り方(性能規定基準と仕様規定基準を併記する)、 建築主と設計監理者の責任の明確化について提案を行っている。

F 既存建物の耐震安全性と今後の課題

 「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の施行を契機として、 既存建物の構造安全性について判定を行う委員会に、構造設計者が参画している。 これらの委員会へは、個人或いは他団体の所属としての参画になっていることから、 構造技術者の職能集団であるJSCAから委員を派遣することを目標としている。 また、判定業務に留まらず改修設計ついても積極的にJSCA会員が関わっていく必要があることを指摘している。

G 木造住宅の耐震補強

 阪神・淡路大震災で多くの被害のあった木造建築物について、 被災した建物を今後も使用するための応急的な対応策として、構造用合板を釘で接合する方法を適用しようと活動を行った。 ただし、被災地では被災した建物の解体について行政が無料で対応する措置を取ったため、 補強すれば使用できる建物までもが競って解体されてしまった。 その中で実際にこの補強法を採用した2つの住宅での取り組みは、マスコミにも取り上げられた。

長期的プログラムの活動

A 総合安全性 社会との対話、設計法、観測体制

 まず、私たちJSCAの会員が活動とする「安全性」の範囲を示した上で、構造設計者と社会のつながり、 被害レベルについての社会的コンセンサス、建築主との対話ツールおよびその要求実現のための設計手法の提案、 地震観測体制の整備について提案を行っている。

B 建築構造の性能設計 新建築構造体系の検討

 建築基準法改正に向けて、建設省(当時)に設けられた検討委員会にJSCAは全面的に協力を行った。 2000年の法改正では、一部、建物の求められる性能をどのような手法で検証するかについて規定が設けられた。 ここでは、これらの規定が今までの規定と何が違うのかを検討し、その基本的考え方を示している。

C 構造設計者

 社会が求める構造設計者への期待を十分に認識し、今後もその責務を果たすために以下の提案を行っている。
 個人の研鑚、役割、責任の意識(「個」に対して)、社会に対する構造設計者の関わり方(「社会」に対して)、 法、制度改訂への取り組み(「個」+「社会」に対して)について、JSCAが今後も活動を続けていくことが提案されている。

※アクションプログラムの詳細は、JSCA事務局までお問い合わせください。
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