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構造技術者の賞『JSCA賞』

第16回JSCA賞選考報告

 

本年度の応募者総計は13であった。この数は私の知る限りの最近5年間では最高数である。内訳は新人賞4名、業績賞1名、作品賞7名と1グループであった。応募作品を構造形態で分類すると大空間構造系6、超高層3、その他が3となった。応募数だけでなく質の高さも例年を上回る粒揃いだった。最初の審査委員会のときから「今年の審査は大変だ」とのうれしい悲鳴があがった。

2005年2月2日に聞かれた第1回審査委員会で、新入賞を含めた作品賞対象作品13のうち、現地審査対象作品として8作品が選定された。選定方法は選考委員とJSCA賞担当理事を含めた7名(1委員欠席)が、それぞれ各作品について意見を述べた後、選定のための投票を行った。その結果、委員の半数以上(4票以上)の票を集めた8作品が現地審査対象作品に選定された。その際応募者と同じ団体に所属する委員は、その応募者には投票しないとのルールで行われた。業績賞についてはこの段階で該当者なしとされた。

現地審査は2月20日から3月27日までの間に行われた。審査日程は、できるだけ多くの委員が参加することを旨として設定された。そのため審査日が日曜日になることも多く、応募者および対象となった施設の管理者には、ご迷惑をお掛けすることとなった。しかしそうすることによって、各委員がほとんどの作品を実際に見た上で最終審査に臨むことができた。

最終審査は全審査委員出席のもと4月7日に行われた。選考方法は第1回審査委員会のときと同様、まず各委員より応慕作品に対する意見が述べられた後に投票が行われた。一回目の投票で作品賞1名が決定されたが、他の受賞者が絞りきれず2回目の投票が行われた。その結果新人賞が2名、作品賞が2名の計4名が残り、最後にこれらの4名に対して話し合いが行われた。白熱した討議の結果、これらの中から新人賞の1名を除いた2名と1グループが受賞者として選定された。

JSCA賞規約では受賞者の数を規定していないが、これまでの通例では2名以下となっている。今年は作品賞2名に1グループが加わり例年より多くなった。最終的に真にJSCA賞としてふさわしいならば、無理に数を合わせる必要はないという意見で全委員の一致を見た。また「中国木材名古屋事務所」については異例の共同受賞となった。これにつても構造設計者と研究者とのコラボレーンョンが、この作品においては欠かせないことであったとして全委員が合意した。

JSCA賞が応募作品に対しての賞なのか、応募者の過去の実績も踏まえた賞なのかは、これまでにもいろいろな意見があった。あくまでも私見ではあるが、賞の趣旨がぶれなければ、このことについては各委員の判断にゆだねても良いように考えている。今年度の選考過程を振り返ると、各委員の投票前の評価と投票結果が必ずしも一致しなかった。

結果的に各委員が暗黙のうちに、これまでの実績も加味して選考に望んだように思われる。


JSCA賞委員会前委員長 金田勝徳(かねだ かつのり)

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