スパッとわかる建築構造

昨今、建築基準法の改正や建築技術の進歩など、建築を取り巻く環境は激しく変化しています。また、建築や都市に求められる性能や機能がより多様化する時代となりました。それに伴い、建築の世界でも専門家による一般の方への分かりやすい説明、いわゆる説明責任の重要性がクローズアップされていると痛感しています。

しかし、建築に関する内容説明、特に建築構造に関する説明は、専門家でさえ分かりやすく行うことが難しいほど難解をきわめるジャンルに属します。意匠設計者と構造設計者、同じ建築の専門家どうしで交わされる会話のなかでさえ、互いの説明が的確に理解されているとは言いがたい状況です。

(社)日本建築構造技術者協会(略称JSCA)では、同協会のホームページ上の「構造キーワード」というコーナーを設け、構造設計者以外の人たちにも難解な建築構造用語を理解してもらえるよう、わかりやすさに重点をおいて解説をしてきました。JSCAの建築構造用語研究会では、それをもとに、新たなキーワードを追加してまとめ直しました。

内容は、構造計画、基本設計、構造計算、実施設計、その他の諸問題の5 つのパートに分け、構造設計の流れに沿った構成としています。意匠設計者および構造設計の初心者が見落としがちな項目や判断に迷う場面をあえて選択し、できるだけやさしく解説したつもりです。

対象とする建物は、一般に設計されることの多い5 階建て程度の鉄骨造やRC 造の事務所ビルを想定しました。特殊な構造システムは登場しません。日常の設計業務において数多く遭遇する状況に焦点をあてていますので、建築構造の初心者にとって押さえておくべきテーマはほぼ網羅されていると自負しています。

JSCAホームページをご活用いただくことで、意匠設計者、構造設計の初心者の皆さんの、建築構造の知識を深める一助になればと願っています。そして、設計の打ち合わせから設計・監理業務にいたるまで、互いの意思疎通を深めるきっけになれば、これほどうれしいことはありません。

2010 年 夏


社団法人日本建築構造技術者協会
建築構造用語研究会
主査 岡本憲尚

ホームページに掲載しました2010年夏から4年を経過した今、法令等の改正や建築技術の進歩及び社会情勢の変化に照らして、部分的に修正が必要と思われる個所もあるかと思います。しかし、JSCAホームページの「構造キーワード」の今後の方針が未定のため、現時点では当時の原稿のまま掲載しております。「建築構造を知る」という点では特に問題はないと考えておりますが、「実務での利用」とする場合には本資料は参考と捉え、ご自分の判断でご使用ください。

2014 年 夏


一般社団法人日本建築構造技術者協会
広報委員会
担当 岡本憲尚

第1章 構造計画

010

意匠設計者はどのような構造設計者とつきあえばよいのでしょうか

012

構造設計者との打ち合わせをスムーズに進めるためには、何が大切でしょうか

014

この建物はS造がいいかRC造がいいか、それとも……

018

「この建物だけは絶対に倒壊しないようにしてください」と言われた。何と答えるべきか

020

積載荷重は、一般にどのくらいまでOKなのですか

022

エキスパンション・ジョイントは必ず設けなければなりませんか

026

法改正に大きな役割を果たしたJSCA

第2章 基本設計

028

地盤調査で分かることは何ですか、分からないことは何ですか

030

地盤のN値を求めました。N値はどれくらいあれば「杭なし」にできるのでしょうか

032

建替えの現場なのですが、既存の杭をそのまま利用できないでしょうか

034

変なかたちの建物は地震などの際、やはり壊れやすいのでしょうか

036

仮定断面はあくまで「仮定」の数値なのでしょうか

038

柱はどこまで細くできるのでしょうか

040

鉄骨造の柱脚は構造設計者の言うとおりに設けておけばよいですか

042

梁のせいはどのようにして決定しているのですか

044

梁せい?スパン?コスト。それぞれどんな関係にあるのでしょうか

046

梁断面はどこまで小さくできるのでしょうか

048

小梁の向きには、どんな意味があるのですか

050

スラブの種類をうまく使い分けるにはどうすればよいでしょうか

054

竣工後、床が振動するというクレームを受けました。設計に問題があったのでしょうか

056

はね出し(片持ち)は、どこまで長くできるのでしょうか

058

耐震壁が必要なのは分かりますが、実際どれくらい必要なのでしょうか

060

この部分にはプラン上壁を入れたくないのですが…

062

RC の耐震壁に設ける開口は、構造的には縦長、横長のどちらが有利ですか

064

構造躯体をそのまま露しにしたいのですが、何に注意すればよいでしょうか

066

ガラスをかっこよく使いこなしたい!どんな方法がありますか

070

地下室を設計することになりました。地上の建物とは、設計・施工面でどのような違いがあるのでしょうか

072

JSCA 建築構造士と建築士制度

第3章 構造計算

074

構造設計と構造計算は同じことかと思っていましたが、どこが違うのでしょうか

076

構造計算プログラムを使用すれば誰でも安全な建物を設計できますか

078

大臣認定の構造計算プログラムを使うと、何かいいことがあるのでしょうか

080

構造設計の保険がスタート

第4章 実施設計

082

鉄筋の配置を理解していないと、いつまで経ってもきれいに納まりませんよ

086

鉄骨造に使用する鉄骨材料はすべて同じ種類で統一してよいでしょうか

090

鉄骨のジョイント部には気をつけろ!

094

RC 造の床に側溝を設けたいのですが、簡易な配筋で可能でしょうか

096

鉄骨でちょっとした段差をつくろうと思っても、それは無理な話です

098

タイル割りやスリットの位置は誰が決めるべきなのでしょうか

100

シャフトが納まらなくなってしまった。どうすればよかったのでしょうか

102

梁の柱際にスリーブの孔を開けても問題ないでしょうか

104

耐震壁の孔は、どこにどんなかたちであれば開けてもよいのでしょうか

106

設計変更をしたいのですが、構造設計上はいつまでなら許されますか

108

RC 壁式構造。ちょっとした変更でも大迷惑になることがあります

110

設計の途中で、耐震壁の開口位置を変更するのは無理なのでしょうか

112

腰壁・垂れ壁の寸法はちょっとくらい変えてもいいんですよね

114

子供に教える耐震建築の原理

第5章 その他の諸問題

116

コンクリートのスランプは構造上は小さいほうがよいのでしょうか

118

スイッチボックスをつけられる位置、つけかれない位置について教えてもらえますか

122

CD 管について一度じっくり考えてみようじゃないか

124

配筋検査をおこたると建物はどうなるのでしょうか

126

鉄骨の検査はどのように行われるのでしょうか

128

行政の検査はどのようなプロセスで進められるのでしょうか

132

既存不適格建築物は、危険な建物なのでしょうか

134

「過半の改修」という言葉がありますが、具体的にはどういう意味なのでしょうか

136

Is/Is0 とQu/Qun は、同じものと考えてよいのでしょうか

138

あと施工アンカーの利用に注意点はありますか

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