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特集
耐震強度偽装事件についての問題点とJSCAの活動
2.問題点の整理
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2.1 構造設計者の資格と確認申請時の構造設計者の明確化 |
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一級建築士制度を見直し構造設計者の資格を設けることや、確認申請時に構造設計者を明らかにすることに異論は少ないと思いますが、各論では議論することが多くあります。
- 10000人とも言われる構造設計者をひとつの資格でくくれるか
- JSCA建築構造士の国家資格化を主張するか
- 一級建築士のなかに構造士を設けるか
- 一級、二級などレベルを設けた資格とするか
- 資格を確認申請時にどう義務付けるか
- 構造設計者を明確化することで生じる責任の自覚
確認申請の意味をどこに求め、最低限確認すべきことをどう考えるか、加えて大臣認定プログラムの意味を再確認するとともに、図書省略についても考えてみる必要があります。
- 確認申請でどこまでのチェックが必要か、あるいは可能か
- 改ざんの発見で十分か、設計内容をどこまで見るべきか
- 確認審査者の能力、資格、研修制度などをどう考えるか
- 民間確認機関の功罪
- 電子データの提出義務付けと確認機関による再計算の動きをどう考えるか
- ピアチェックは現実的か
- 計算書は認定のないプログラムや手計算によってもかまわないことを再認識すべき
- そもそも計算書作成は設計行為のごく一部であることも共通認識としたい
- 構造計算書とはどうあるべきか
- 認定プログラムとは何を認定すべきか
- 認定プログラムを使用していることで、あまりにノーチェックになっていないか
下請けが望ましくないのは言うまでもありませんが、望ましい受注形態とは何か、それによってどう社会とのつながりを持つかを考えてみる必要があります。
- 施主との直接契約が最善か、営業能力、施主の手間など問題もありそう
- 管理建築士の意味と役割
- 契約形態だけでなく、構造設計者と施主等との直接対話が大切
- その中で構造性能をどう説明するか
保険制度などを含めた社会システムの構築も不可欠と思われます。
- 建築界全体の設計料の適正化
- 住宅やマンションなど施主とエンドユーザーが異なる建物の保険加入義務化
- 確認審査やピアにも保険が必要か
※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。
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