新しくなった秋葉原の高層ビルを遠くに見ながら、総武線の高架にそってぶらぶら、大きなアーチが目立ちます。なんとその大きなアーチの中に3階や2階建ての部屋を造ってしまっています。 なかなか、「建築家なしの建築」で面白い。
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と、そのうち上を見ると何やら、ごつごつ、コンクリートの肌が荒れています。よく見るとなんだか塗っています。気がつきました。 コンクリートも老化します、痛んだ表面を削って、 多分丈夫なグラス繊維布と接着材で補修しています。痛々しいですが、これも1932年の夏の生まれですからそろそろ75歳、しわも出来ます。 でも、良く観察すると、南側と北側では違いがあります。北側のしわ(補修あと)が少ないようです。雨にも風にも負けずたっていますが、人間と違って、向きを変えられないものですから、雨にさらされ、太陽に照らされ、ぬれたり乾いたり、暖められたり冷やされたり、北側より過酷なのでしょう。
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御茶ノ水の聖橋(1927)と同じモチーフが使われています、デザイン的に統一して地域の景観を保とうとしたのかもしれません。何しろ建設当時は、東京駅の方からアーチのつながる白い高架橋が、ローマの水道橋の様に見えたそうです、壮観だったでしょうね。
いまでは、近くにいても大きな建物があって目立ちませんが、デザイン的な工夫に気がつくと、余計に補修後が痛々しく感じられます。ひび割れてコンクリート破片が落ちてくるのを防ぐ、安全確保も、劣化の防止も大事ですが、もう少し、先人の気持ちや、周りの景観にも、気を配り、復元に多少のコストが掛かっても、これまでの、これからの、年数を考えれば安いと思うのですが。
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※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。