2026.1.1

会長挨拶

     

「構造設計を楽しもう!」
Let’s have fun structural designing!

 皆さま、2026年、あけましておめでとうございます。

 昨年は、「未来社会の実験場」をテーマにあげた大阪万博が大阪夢洲で開催されました。多くの方々が足を運ばれたのではないでしょうか。パビリオンの大きさに関係なく創造性豊かな様々な形態の国内外のパビリオンが華やかさを競い合うように配置されていました。これらのパビリオンの構造設計には多くのJSCA会員の方々が関係し、展示物だけでなくパビリオン自らがテーマに即した「未来社会の実験場」となるべく様々な「素材」、創造力豊かな「形態」や「ディテール」から「力の流れ」を意識しながら設計をされたのではと思います。JSCAでも関西支部を中心に万博開催期間中により深くパビリオンの構造設計の内容を理解していただくことを目的に設計内容を発表する機会を設けました。「形態」の生みの苦しさを垣間見ながら構造設計の面白さ・楽しさを感じ取れたのではないでしょうか。

 また、東北に引き続き東京で開催された「JSCA構造デザイン発表会2025」では350名を超える多くの方々が参加されました。今ではすっかり構造設計者のイベントとして定着しました。発表会ではひとつひとつの作品に対して設計者の作品に込めた思いや苦労したことが発表され、また会場からは作品に対するコメントなど活発な議論が行われました。JSCAでは早くから構造設計の面白さ・楽しさを知っていただくこうと学生会員の会費を無料としました。そのためか喜ばしいことに昨年から学生会員が大幅に増加しました。是非、JSCAに触れて構造設計の面白さ・楽しさを知っていただきたいと思います。

 一方、地震国日本では南海トラフだけでなく多くの地域で地震リスクを抱えています。建築構造に関わる技術者として出来ることと出来ないことがあります。自然現象である地震荷重や風荷重はコントロールできませんが、建物側の耐力や応答はコントロールできます。JSCAでは構造性能を発注者とともに作り上げていくシステムとしてJSCA性能設計説明書を公開してきました。本年は、大地震後の機能維持を目的として、建物の耐震性能のグレードを非構造部材・設備を含めて評価するJSCA耐震性能認証を運用開始する予定です。JSCAとして性能設計の思想を設計に活かしていただき、日本を災害に対して強い国に、少しでも国民の安心・安全に貢献していきたいと思います。
 
 JSCAでは、JSCA本部や全国にある8支部においてデザイン委員会や技術委員会など多くの委員会・部会があり、活発に活動しています。若い構造設計者においては会員になるだけではなく、JSCA活動に参画することによって自己研鑽やベテラン構造設計者の知識の継承にもなるものと考えます。
これからも構造設計者の研鑽の場、コミュニケーションの場としてJSCAに参画し、後世に創造性豊かで災害に強い良質な社会資本を残していけるよう会員の皆さま方が互いに連携し、活発に活動していくことがJSCAの持続的発展に繋がっていくものと考えています。

 皆さまのより一層のご支援をお願いいたします。

小林秀雄