JSCA賞 受賞者JSCA AWARD WINNERS
第37回
新人賞
中村 俊介 / ニコン 本社/イノベーションセンター
| 建物名称 | ニコン 本社/イノベーションセンター |
|---|---|
| 所在地 | 東京都品川区西大井1-5-20 |
| 主要用途 | 事務所、店舗 |
| 建築主 | 株式会社ニコン |
| 設計監理 | 株式会社三菱地所設計 |
| 施工 | 株式会社安藤・間 |
| 建築面積 | 11,369.96㎡ |
| 延床面積 | 42,423.98㎡ |
| 階数 | 地上6階 |
| 最高高さ | 33.16m |
| 主要構造 | S造一部RC造 |
ニコンゆかりの品川区西大井の敷地にて、本社機能やR&D機能を集約するプロジェクトであり、オフィス棟(免震構造)と厚生棟(制振構造)の二棟からなる。光学企業というニコンの原点を建築に反映すべく、全体として外光の取入れ方や照明計画に注力した。
オフィス棟は、150m×60mの広大な平面を積層しつつ、平面的な距離や階による分断を解消し、部門を超えた交流を促すために、3つの執務空間で細長い帯状のコアをサンドイッチする平面構成としている。この帯状コアにはリフレッシュスペースやキッチン、吹抜けも配置して、偶発的な交流の場となることを意図した。
執務空間には、庇やライトシェルフによって取込んだ柔らかい反射光を、内部でさらに攪拌させるために、リブ付きPC合成スラブをあらわしで採用した。光の延びや外部との連続性という観点から、14.5mの長スパン方向をリブ方向とする必要があり、これを実現するシステムとしてPCとトップコンの間にボイドを設け、鉄骨ウェブでつないで合成スラブを形成する、PC-鋼ハイブリッド合成スラブを考案した。ボイド空間は、還気・排煙経路としても有効利用している。また、隣接するPC間にはライン照明を配してPC曲面を照らすことで、明るく印象的な空間を演出しており、意匠・構造・設備が融合したシステムとなっている。一方で、PCと鋼による合成構造のプレストレス有効率を算定した先例は少なく、形状も特殊なことから、実大試験体を製作してひずみ計測を行うことで、設定した有効率の妥当性確認も行った。
厚生棟は、主に食堂機能を持つ建物で、北側の道路を挟んで向かい側が住宅地域のため、緑地帯を配するとともに階数を2階に抑え、道路側に向かって勾配屋根とすることで、圧迫感低減と視線制御に配慮している。鉄骨ラーメン構造に、付加的にブレースを取入れた制振構造である。厨房などを有するコアフレームと、食堂空間を有するフレームがあり、地震力は主にコアフレームに負担させることで、食堂空間の外周には〇-165.2φの繊細な細柱を配置した。オフィス棟はPCスラブによって、力強くも滑らかな表現としたのに対し、厚生棟は勾配屋根で木ルーバー天井、外周細柱とすることで軽快さや繊細さを表現する設計とした。部材をヒューマンスケールに近づけることで、オフィス棟とは違った気楽なコミュニケーションを誘発する空間とし、周辺住宅への圧迫感軽減にも貢献した。
写真 撮影 オフィス棟 外観(撮影 株式会社エスエス 島尾 望)
オフィス棟 内観_執務空間
厚生棟 内観_食堂空間(撮影 株式会社エスエス 島尾 望)

中村俊介
生年 1990年(千葉県生まれ)
出身校 東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 修了
主要職歴 2015年 株式会社三菱地所設計 入社
主要作品 追手門学院大学 食堂棟/MUFG PARK LIBRARY/Hirooka Terrace/大手町ゲートビルディング
