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第25回

作品賞

中之島フェスティバルタワー

建物名称 中之島フェスティバルタワー
所在地 大阪市北区中之島2丁目
建築主 株式会社 朝日新聞社
設計者 株式会社 日建設計
施工者 株式会社 竹中工務店
建物規模 建築面積 5,725.26m2 延床面積 145,602.26m2 階数  地上 39階  地下 3階 最高高さ 198.96m
用途 劇場・本社ビル・事務所・店舗
構造種別 S・SRC・RC 造(中間層免震)

本建物は、大阪の文化・芸術の発信拠点として長らく親しまれ、また世界の音楽家から称賛されたフェスティバルホールを 建替え、これに朝日新聞社大阪本社、テナントオフィス等を組み合わせて計画された超高層複合施設である。建物構成は、2~7階がホール、9~12階が新聞社オフィス、15~36階がテナントオフィスである。

高い耐震・環境性能、最新の演目に対応し音響特性に優れた2700席規模のホール、そして地域特性を意識したセンターコア型オフィスとすることが建築主の主な要望であり、それぞれに十分な面積を確保しつつこれらを実現するため、各用途を縦に積むことを提案した。音響特性に優れたホールと無柱空間のオフィスという、構造計画上は相反する建築的要求を合理的かつ大胆に切り替えて実現するため、以下の2つを構造計画上の核として計画している。
・高層階の荷重を外周部に集約し、ホールの大空間を実現する「巨大トラス」
・異なる用途・構造形式を柔らかく連結し、地震エネルギーを集中的に吸収する「中間層免震」
これら2つの核により、建築基準法上の極めて稀に発生する地震に対し、各部を短期許容応力度以下とする高い耐震性能を確保しつつ、ホールを含む低層部はSRC造耐震壁主体構造として高い音響性能を実現し、オフィス部はS造耐震・制振ブレース付きラーメン架構として執務空間に柱型のないオフィス空間を実現している。

巨大トラスは、高層階重量を建物外周に集約することを可能にして免震構造の性能を最大限に高め、中間層免震は、高層階に作用する地震力を小さく抑えて巨大トラスの地震時安全性を高めるなど、2つの核は相互に影響して建物の構造性能を高めることにも寄与している。

道路を挟んだ反対側の朝日新聞ビル ( 現在解体中 ) の外観イメージを継承するコーナー部の円弧形状や、レンガ積みの外装に代表される特徴的な外観、13階のスカイロビーにあって開 放感を創出しつつ荒々しく露出するメガトラス、そして優れた耐震・環境性能により、本建物は超高層ビルが立ち並ぶ中之島地区においてもランドマークとなる建物となっている。

吉田 聡

/ 生年月日 /
1969年11月17日(島根県生まれ)
/ 出身校 /
大阪大学大学院
工学研究科建築工学専攻 修了
/ 主要職歴 /
1994年 株式会社フジタ
2002年 株式会社アーバン・エース
2007年 株式会社日建設計
/ 主要作品 /
土佐堀ダイビル
福岡赤十字病院
米子市公会堂耐震改修
しまね海洋館 新シロイルカプール

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