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第33回

作品賞

四日市市総合体育館

建物名称 四日市市総合体育館
所在地 三重県四日市市日永東 1-3-21
主要用途 観覧場
建築主 四日市市
設計監理 株式会社久米設計
施工 大成・中村 特定建設工事共同企業体
建築面積 14,426.79 m²
延床面積 17,548.08 m²
階数 地上3階
最高高さ 23.08m
主要構造 RC 造・S 造

本プロジェクトは2021年に開催予定だった三重とこわか国体の会場として、約28.5haある四日市市中央緑地全域を再整備する計画である。その中心施設となる体育館は、緑地内の各施設との連携の中心となることを意図して計画された。ここでいう“中心”とは、立地や機能の中心というだけでなく、その形態においても緑地のシンボルとしての中心性を持つことを意図していた。

建築を計画するうえで、大きく二つのコンセプトがチーム内で共有された。一つは、中央緑地の中心施設として感動の輪が波紋のように広がっていく様を建築で表現すること、二つ目は、緑豊かなかつての緑地の景観を継承した森のような空間を創ること、である。これらのコンセプトに対してサスペンアーチとバランスフレームという特徴的な二つのトラス架構を提案し、具現化することを考えた。

アリーナ架構では、感動の輪が波紋のように広がるという“波紋”のイメージを“曲線の連続”と捉え、曲線を用いた内観をイメージした。軸力主体の架構で合理的に構成するためサスペンアーチを採用し、下弦材を形鋼にすることで存在感を持たせることを考えた。下弦材を感動の輪と見立て、連続するトラスで波紋を表現することを試みた。また、アーチとサスペンションの形状を対称形とすることでスラストの無い架構を目指し、下部架構への負担を最小限に抑えている。

アリーナと緑地を繋ぐ存在となる多目的室とスポーツフォーラムでは、木々に覆われたかつての景観を再現するため、木立の並ぶ森を連続したトラス架構で表現することを考えた。多目的室は建築形態に合わせた山形架構により構成した。梁断面は応力状態にならって中央を小さく、両サイドを大きく取った。スポーツフォーラムと連続する架構はハイサイドライトからの光を遮らず、かつ二つの空間の連続性を保つため、トラス架構を採用した。このトラスは基端をピン柱で支持し、アリーナ躯体までウデを伸ばすように連続させた。一方、外部庇と連続する架構は金属屋根を支持する架構としてH形鋼で構成し、柱を内側に傾斜させることで架構の変形を抑える計画とした。各々一本柱で支持された“やじろべえ”のような2つの架構を一体化し、アリーナ躯体と接続することで安定させたこの一連の架構をバランスフレームと名付けた。
デザインコンセプトに呼応した二つのトラス架構により建築表現と一体となった構造架構を実現した。

河合 正理

/ 生年月日 /
1978年(東京都生まれ)
/ 出身校 /
法政大学大学院
工学研究科建設工学専攻 修了
/ 主要職歴 /
2003年 株式会社久米設計 入社
/ 主要作品 /
福岡女子大学図書館棟 / 熊本大学臨床医学研究棟 / 東京都庭園美術館レストラン / 有明アリーナ(基本設計) / 理想科学工業理想開発センターII

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